前回の自家製サルシッチャの記事で「腸詰めしないサルシッチャのタネをパスタの具に」とご紹介しました。
今回はその中でも、サルシッチャのタネが余ったらいつも必ずつくるブロッコリーソースの作り方をご紹介します。
冷凍庫に仕込んだサルシッチャのタネがあれば、いつでも本格的な南イタリアのパスタが作れます。
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乾燥オレキエッテ
80g -
サルシッチャのタネ
30g -
ブロッコリー
1/4房 -
ブレンドオイル
20ml -
ニンニク
1/2片 -
アンチョビフィレ
1/2枚 -
乾燥唐辛子
少々 -
塩
0.5g -
チキンコンソメ(顆粒)
0.5g -
グラナパダーノ
適量(仕上げ) -
イタリアンパセリ
適量(仕上げ) -
エクストラバージンオリーブオイル
適量(仕上げ) -
ブラックペッパー
適量(仕上げ)
プーリアのブロッコリーソース
このソースのベースはシンプルです。
ペペロンチーノと同じようなニンニクオイルにアンチョビとクタクタに茹でたブロッコリーを加えて、木べらで原型がなくなるまで潰してソース状にする。
たったこれだけで、南イタリアらしい深みのあるソースができあがります。
南イタリア・プーリア州は野菜の一大産地で、中でもチーマ・ディ・ラーパという菜の花に似たほろ苦い青菜の産地として知られています。
本来はこのチーマ・ディ・ラーパを煮崩したソースがこの料理の原型でした。
冬野菜のチーマ・ディ・ラーパが採れない夏の季節に、同じく特産品のブロッコリーで代用するようになり、こちらもプーリアを代表するもうひとつのソースとして定着していきました。
手に入りやすいブロッコリーに置き換わったことで、チーマ・ディ・ラーパのない土地にも広まりやすくなったというのも大きかったのかもしれません。
「小さな耳」オレキエッテ
オレキエッテはイタリア語で「小さな耳」を意味する、プーリアの郷土パスタです。
中央が薄く縁が厚い独特の形をしていて、このくぼみがソースをしっかり抱え込んでくれるスプーンのような役割をはたします。
プーリアの州都バーリの旧市街には「オレキエッテ通り」と呼ばれる路地があって、地元のおばちゃんたちが玄関先に座ってものすごいスピードでオレキエッテを成形している光景が有名です。
テレビで見たことがあるんですが、おしゃべりしながらぽんぽんと形にしていくその速さが本当に衝撃的でした。
僕も手打ちしたことがありますが、あの速さと正確さはもう別次元の話です。
ブロッコリーを具ではなくソースとして
「ブロッコリーをこんなに煮崩しちゃうの?」
とついつい思ってしまいますが、グッとこらえてしっかり煮込みましょう。
パスタにブロッコリーときくと歯応えをしっかり残して具として使うとついイメージしてしまいますが、ここでは食感ではなく旨味を凝縮させてソースにすることが目的です。
ソース状になったブロッコリーがオレキエッテのくぼみにピタリと入り込んで、ひと口食べるとパスタと野菜が完全に一体になった状態で口の中に広がります。
このくぼみのあるパスタだからこそ、クタクタのソースが生きる。
このソースだからこそ、くぼみが意味を持つ。
二つが出会ってはじめて完成する料理です。
もちろん普通のロングパスタなどでも美味しく食べられますが、手に入ったらぜひオレキエッテで試してみてください。
サルシッチャを加えて贅沢な一皿に
プーリアの料理は「クチーナ・ポーヴェラ(貧しい庶民・農民の料理)」が原点で、野菜が主役でした。
かつて肉が贅沢品だったころに、特別な食事の際や、子どもに体力をつけてほしいというマンマの愛情から、少量のサルシッチャを加えてボリューム感を出す知恵から定着していき、特に州都バーリで人気の食べ方だそうです。
サルシッチャから溶け出した脂がソースと乳化して豪華でクリーミーなソースが出来上がります。
この肉とブロッコリーの旨味が凝縮した濃厚なソースがオレキエッテのくぼみに入り込み、完璧な一体感がうまれます。
作り方
①サルシッチャを炒める

サルシッチャのタネをフライパンでほぐしながら炒めます。
ザルにあけるかペーパーで拭き取って余計な脂を捨てます。
②ブロッコリーを茹でる
1%の塩を入れたお湯でブロッコリーを8分ほど茹でます。
茹で汁はそのまま残しておきます。
③パスタを茹でる
ブロッコリーを茹でた茹で汁でそのままオレキエッテを茹でます。
こうすることでパスタにも野菜の旨味が染み込みます。
④ソースのベースを作る

フライパンにブレンドオイルとニンニクを入れて弱火にかけ、狐色になるまでゆっくり加熱します。
アンチョビを加えて木べらで潰しながらオイルに溶かし込みます。
唐辛子をお好みで加えます。
⑤ブロッコリーをソースにする

茹でたブロッコリーを加え、木べらで原型がなくなるまで潰してソース状にします。

茹で汁を加えながら水分量を調整します。
⑥具を加える

炒めておいたサルシッチャと塩、チキンコンソメを加えます。
水分が足りない時は都度茹で汁を加えてください。
⑦仕上げ

茹で上がったパスタをフライパンに投入します。
必要に応じて茹で汁を少量追加しながら全体を絡めて、最後にエクストラバージンオリーブオイルで乳化させます(モンテ)。
味を見て必要なら塩で整えます。

皿に盛り、グラナパダーノ(粉チーズ)、イタリアンパセリ、エクストラバージンオリーブオイルをひと回し、ブラックペッパーで仕上げます。
自家製サルシッチャとの相性
このレシピで使っているサルシッチャのタネは、1皿目の記事で紹介した自家製のものです。
フェンネルの香りとブロッコリーのソースが驚くくらい合い、とても後引く味です。
サルシッチャが無くてもブロッコリーソース自体がとても美味しく、具無しでも十分満足出来ます。
また、市販のソーセージや海老やシラスなどを具にしてもとても良く合う万能なソースです。
合わせるお酒
同じプーリア産のプリミティーヴォを使ったロゼワインがおすすめ。
海で囲まれた半島で作られるこのワインは、潮風に由来したミネラル感や塩気があり、フレッシュな酸味のある辛口のロゼが多いです。
サルシッチャの脂気をサッパリとリフレッシュしてくれ、ブロッコリーの旨味を引き立ててくれます。
クタクタになったブロッコリーがオレキエッテの耳にすっぽりと入り込んで、サルシッチャの旨味と一緒に口の中に広がる。
南イタリアの太陽と大地がそのままパスタになったような、素朴だけど奥深い一皿です。




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