お酒の「最古」と「起源」は諸説ありまくり|由緒ある酒まとめ

daisuu 豆知識

歴史の深いお酒の世界には「最古の蒸留所」「元祖ハイボール」「バーボンの父」みたいな、最古や起源を謳うものがいっぱいある。

逆にオリジナルは全くの別物だったり、発祥がありそうで見つからないものもたくさん。

今回はそんな「最古」や「起源」を名乗るお酒を、まとめて並べてみました。


ウイスキー

ブッシュミルズ

ウイスキー発祥の国アイルランドで、現存する世界最古の蒸留所と言われるウイスキー。
ただし「最古」なのは1608年の“免許取得”の話。
正式な登録は170年も後のこと。

グレンタレット

スコットランド最古の蒸留所を名乗る一本。
創業は1763年とされますが、その年代には異論もあるそうです。

グレンリベット

イギリス政府公認第1号の蒸留所。
密造酒だらけだった時代に、堂々と表に出た一番手。

グレンフィディック

世界で初めてシングルモルトを売り出した蒸留所。
今では圧倒的人気のシングルモルトたちもここから始まった。

デュワーズ ホワイトラベル

元祖ハイボールと言われるウイスキー(諸説あり)。

2杯目!「デュワーズ ホワイトラベル」
蜂蜜のような甘さと角のないスムースさで、濃いめのソーダ割りが絶品の一本。1,400円台で買える家飲みの定番です。シャーロック・ホームズが飲んだスコッチとも言われています。

オールド・オーバーホルト

アメリカ最古の継続ブランドを謳うライウイスキー。
禁酒法という、みんなが消えた時代を抜け道で生き延びた変わり種です。

19杯目!「オールド・オーバーホルト」〜禁酒法をくぐり抜けた最古のライウイスキー〜
取り締まる側の財務長官がオーナーを務め、薬用という抜け道で売り続けられたライウイスキー。1810年創業の老舗です。辛口でキレが良く、何の印象も残さず消えていくほど飲みやすい一本です。

エヴァン・ウィリアムズ & エライジャ・クレイグ

バーボンには父が二人います。
最初に蒸留した男と、樽を焦がした男。(諸説ありまくり)
どちらも「バーボンの父」と呼ばれています。

27杯目!「エライジャ・クレイグ スモールバッチ&エヴァン・ウィリアムズ ブラックラベル」〜優等生な味わい、そのルーツは問題児〜
密造で起訴された悪党エヴァン・ウィリアムズと、投獄された聖職者エライジャ・クレイグ。バーボンの礎を築いた2人の問題児の物語と、1996年に9万樽を焼いた大火災、そして両銘柄の飲み比べを紹介します。

ラム

マウントゲイ エクリプス

ラム発祥の国バルバドスに1703年創業。
現存する世界最古のラム蒸留所と言われます(諸説あり)。
「記録に残っている中で」最古、というのがミソです。

5杯目!「マウントゲイ エクリプス」〜世界最古のラム蒸溜所〜
1703年創業、ラム発祥の地バルバドスで今も操業を続ける蒸留所のフラッグシップ。一度は日本で姿を消しながら復活した、スッキリ甘口でソーダ割りが絶品の一本です。007カジノ・ロワイヤルにも登場します。

ワーシーパーク 109

稼働中のジャマイカ最古の蒸留所。
サトウキビ農園としては1670年創業。
蒸留開始がいつからかは不明で、もしかしたらマウントゲイより古いかも?
とはいえ途中、40年以上もラムづくりを休んでいた時期があったりします。

8杯目!「ワーシーパーク 109」
セメダインのようなエステル香が鼻を突き抜ける、強烈な個性のジャマイカラム。54.5度の力強さと黒蜜のような甘さが魅力です。2025年のIWSCで最高評価を獲得しながら4,000円前後で楽しめます。

レジェンド・オブ・キューバン・ラム

いまも手に入る中では最古級と言われる、ラムの原酒。
キューバ革命より前に蒸留された“革命前”の一本です。


ジン

ボルス ジュネヴァ

ジンの祖先、オランダのジュネヴァ。
ボルスは1575年創業とされる、世界最古級の蒸留所ブランドです。

プリマス・ジン

「ギムレットの起点」「ドライマティーニの起点」とされる、海軍御用達のジン。
最初のギムレットやドライマティーニのレシピで使われています。


カクテル

テキーラ・サンライズ(オリジナル)

みんなが知ってるオレンジ色のあいつ。
実はオリジナルはカシスを使った全然違うカクテルです。

25杯目!「元祖テキーラ・サンライズ」〜みんなが知ってるあれは、別のカクテルです〜
誰もが知るオレンジ色の一杯とは別物の、カシスを使ったドライなオリジナル。禁酒法時代に生まれたこのカクテルは、1970年代に同じ名前で全く違うレシピが登場し、ミック・ジャガーに愛され、本家は舞台袖へ追いやられました。

ペリオディスタ(ペリオディスタ・ダイキリ)

スペイン語で「記者」を意味するダイキリの派生。
このカクテルの起源を1年もかけて追い求める探求記「ペリオディスタ・テイルズ」がつくられるなど、出生の謎が人を惹きつけるカクテル。

9杯目!「ペリオディスタ」〜記者たちを惹きつけてやまない、フルーティーなダイキリ〜
ヘミングウェイ伝説、そして正体を1年かけて追った一人の男。ペリオディスタの名前には、いくつもの物語が隠れています。ダイキリにアプリコットとコアントローを重ねた、フルーティーな一杯です。

ロイヤル・バミューダ・ヨットクラブ

由緒あるヨットクラブの名を冠しながら、当のクラブのメニューには存在しない。
迷子の極み、出自不明の一杯。
後にマイタイを生むきっかけとなり、このカクテル自体もトロピカルカクテルの転換点と言われる1杯。

23杯目!「ロイヤル・バミューダ・ヨットクラブ」〜天才を目覚めさせた迷子の一杯〜
名門ヨットクラブの名を冠しながら、当のクラブのメニューには存在しない不思議な一杯。これを完成させた瞬間「俺は天才だ」と叫んだ男こそ、後にマイタイを生むトレーダー・ヴィックでした。出自は今も謎のままです。

ジン・アンド・イット

ジンとスイートベルモットだけのシンプルな一杯。
マティーニの原型・最古級の古典のひとつと言われています。

ソルティドッグ(オールドスタイル)

今はウォッカが定番ですが、もとはイギリスのジンベースだったと言われています。
これも本来の姿と今の姿が入れ替わっている一杯です。


その他

ベネディクティン D.O.M.

16世紀の修道院で生まれたとされる、最古級のハーブリキュール。
ただしその「修道院起源」、後世の商人がつくった物語だという見方もあります。

マーテル VS

1715年創業とされる、現存最古級のコニャックメゾン。


諸説ありまくりな酒たち

こうして並べてみて、気づいたことがあります。
「世界最古」も「〜の起源」も「〜の発祥」も、たいてい後ろに「〜と言われています」がくっついてくる。

諸説あり。
これも諸説あり。
それも、諸説あり。

でもよく考えてみると、こういう話を言い伝えてきたのは、みんな酒飲みなわけで。
酒の席で尾ひれはひれがついていくのは、まあ当たり前ですよね。

最古かどうか、起源がどうか。
本当のところは、もう誰にもわからない。
それでも今夜も、その眉唾な肩書きを肴に、グラスを傾ければそれでいいんだと思います。

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